ごあいさつ
平素より、創薬に携わる研究機関や企業のみなさま、病気を患う患者さんとご家族のみなさま、そして治療にあたられている病院関係のみなさまにご支援を賜り厚く御礼申し上げます。この度2020年8月3日に一般社団法人アイディーフォーを設立致しましたのでご挨拶申し上げます。
いまだ治療法のない病気を患う患者さんが多くおられるなか、医薬品開発は高額化、長期化しており、革新的医薬品を生み出す研究開発方法の抜本的な改善が求められています。その解決法として近年、iPSC技術の応用が注目を集めています。iPSC由来の病態モデルを利用した表現型スクリーニングによる化合物・標的探索、毒性試験への応用、また臨床試験の前に患者細胞において有効性・安全性を判定し、効率的な臨床試験デザインにつなげることなど、創薬の生産性を飛躍的に高める手段としてiPSC技術に大きな期待が寄せられています。
一方で、全世界で約7,000も存在するといわれる希少疾患ですが、その多くはいまだ有効な治療法がなく、また適切な診断に至らないケースが多い状況です。その患者数の少なさから開発が難しい現実があるなか、近年は遺伝子解析や編集技術の進化から、特定の変異をターゲットとした薬剤開発が容易となり、遺伝子変異と症状の明確な結びつきのある難病・希少疾患の創薬があらためて注目されております。ただ依然として各疾患の包括的な情報を得ることは難しく、また臨床サンプルや臨床情報等、研究を推進するリソースへのアクセスも極めて限られており、創薬の活性化を阻害する原因となっております。
このような背景からこの度、疾患細胞を患者さんや医療機関から一括して譲り受け、それをiPSC化した後、企業へ提供するプラットフォームを構築する目的で弊法人を設立いたしました。患者さん、医療機関、企業のみなさまを弊法人が橋渡ししていくことで、希少疾患・難病をはじめとした多くの病気における創薬研究を活性化していきたいと考えております。将来的には多くの学術機関や製薬企業にご参加いただき、産業全体を活性化することで革新的医薬品を生み出し、多くの治療法のない患者さんに希望をもたらしていくお手伝いができればと期待しております。
わたくしたちの未来にご支援お願いいたします。
2020年8月
一般社団法人アイディーフォー
代表理事 藤本利夫