細胞が懸け橋となって
未来の治療法をもたらす
平素より、創薬に携わる研究機関や企業のみなさま、病気を患う患者さんとご家族のみなさま、そして治療にあたられている医療機関のみなさまにご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
お蔭様で2020年に弊社、一般社団法人アイディーフォーを設立してから早5年が過ぎました。弊社は幹細胞の創薬研究利用を促進することで、難病や希少疾患をはじめとした有効な治療法の乏しい病気に対する医薬品の開発を活性化させることを目指しております。具体的には患者さんから譲り受けた疾患細胞をiPS細胞化し、またはさらに特定の臓器細胞に分化させて、その疾患の創薬研究を行うベンチャーや企業へ提供するプラットフォームを構築しております。
細胞の産業利用という新しい枠組みが果たして、法的、倫理的、社会的に受け入れられるのか?さらに企業における実用化研究に役立つような質、スピード、コストで細胞を提供することが可能なのだろうか?設立から5年間、弊社はこうした課題を一つ一つ検証し、多くの方々からのご支援をいただきながら、着実に解決して参りました。幸いその過程で、わたしたちの構築した仕組みが多くの大学・医療機関に受け入れられ、ゆっくりとした歩みではありますが、支援くださる患者さんや提供医療機関の輪が広がっております。
世界で約7,000あるといわれる希少疾患のうち、治療法が存在するものはわずか5%程度であり、多くは医薬品の開発計画すらない状態です。こうした病気を患う患者さんやご家族のために、一刻も早く有効な医薬品を開発することが望まれています。弊社は今後、さらに多くの国内外の大学・医療機関・患者さんと連携することで、より多くの疾患細胞とデータを集積し、さらに多くの創薬研究企業と連携してその利用を拡大促進することで、難病・希少疾患に対する創薬利用を活性化していきたいと考えております。そして細胞を通じて、弊社が患者さん、医療機関、製薬企業のみなさまの懸け橋となり、多くの治療法のない患者さんに希望をもたらしていくお手伝いができればと願っております。
わたくしたちの描く未来に引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。
2025年8月
一般社団法人アイディーフォー
代表理事 藤本利夫